Ghostscript とは 多様なプラットフォームで利用できるポストスクリプトインタプリタであり、 このソフトウェアを利用することによってポストスクリプトで記述されたプログラムを 実行することができるようになります。 (ありていにいえば、ポストスクリプトファイルを表示、印刷することができます。)
しかし、配布されている状態そのままでは日本語は扱えません。 このため、日本語を扱うためにはそれなりの対処が必要となります。 対処にはいくつもの方法があり、混乱の原因にもなっているようです。 このページではそれらの方法をまとめています。
まず、ポストスクリプトでは日本語を扱うためにコンポジットフォントという機構を使います。 したがって、この機構がサポートされていなければ日本語を扱うことはできません。
また、日本語フォントの形式の問題もあります。 ポストスクリプト本来の形式で用意すれば gs 自体を変更しなくてもいいのですが、 異なる形式のフォントを直接扱いたい場合には gs を変更しなければなりません。 しかし、効率を考えると、ポストスクリプト本来の形式(OCF --- Original Composite Font)よりも 日本語フォントそれぞれの形式を直接扱った方がよいことがあります。
gs2.x ではコンポジットフォントをサポートしていません。 したがって、そのままでは日本語を扱えません。 しかし、片山紀生氏が gs にコンポジットフォントといくつかの形式の日本語フォントを直接扱う機構を付け加えるパッケージを公開しました。 このパッケージではポストスクリプト形式ではない日本語フォントを直接扱うことを想定していますが、 ポストスクリプト形式のフォントも扱えます。 ポストスクリプト形式の(日本語の)フォントを使う例としては 和田研フォントを Ghostscript で使用する というものがあります。
片山氏がリリースしたパッケージの最終版は Ghostscript リンク集から gs261j11として入手できます。 (ちなみに、このパッケージは 261 という名前ですが、gs2.6.2 にもそのまま利用できます。)
さまざまな形式のフォントを統一的に扱うためのライブラリとして 角川裕次氏の VFlib というものがあります。 片山氏のパッケージは VFlib を利用するようにはなっていませんが、 淺山和典氏の Ghostscript DJ's GPP 化パッケージ を利用することによって、VFlib を使用することができます。
gs は 3.0 でコンポジットフォントをサポートしました。 つまり、このバージョン以降ではポストスクリプト形式の日本語フォントを用意すれば gs 自体は変更せずに日本語を扱うことができます。 (例えば、和田研フォントを使うことができます。)
ポストスクリプト形式でない日本語フォントを直接扱うようなパッケージは私の知る限りでは公開されていません。 しかし、gs261j を gs3.x で使うのは実は結構簡単で、私は 3.33 と 3.53 で試して使っていました。 私は公開しませんでしたが、世の中には(私の気づかないところで)公開した人もいたのではないか、と思っています。 ただ、そうだとしても、あまり広くは普及しなかったのでしょう。
gs4.x でも 3.x と同様にポストスクリプト形式の日本語フォントを用意すれば gs 自体は変更せずに日本語を扱うことができます。
ポストスクリプト形式でない日本語フォントを直接扱うようなパッケージとしては、 片山氏、淺山氏のパッケージから VFlib を使って日本語を使うための部分だけを取り出して、 gs4.03 に適用できるようにしたものを私が fj.sources で公開したものがあります。
gs5.x でも 3.x, 4.x と同様にポストスクリプト形式の日本語フォントを用意すれば gs 自体は変更せずに日本語を扱うことができます。 また、5.0 からは CID フォントというポストスクリプトの新しい形式のフォントがサポートされています。 この CID フォントを使うと効率良く日本語を扱えるので、日本語の CID フォントを所持していれば利用できます。
また gs4.03 と同様の gs5.50 に対するパッケージをgs5.50-vflib-1.0.tar.gzとして公開しています。